なんにも考えてない強さ。パオ。
休日の朝、目が覚めて窓の外を見ると気持ちのいい青空が広がっていた。
「さてと、こんな日はどこに行こうかな…」
鼻歌まじりでキッチンへ行ったものの、朝食がないことに気がついた。
「とりあえずパン屋まで朝のドライブとするか」
狭い駐車場が全然苦にならないコンパクトで小回りの利くボディ。
小さくても存在感のあるデザインは、いつも誰かの目を引いている。
そうだ、思い出した。
初めてコイツを見た時、「こんな車で近所に買い物に行けたらオシャレだろうな?」なんて思ってたっけ。
パンを買い忘れてたことで何だか少し得したような気持ちになった。
当時の日産の冒険心をそのまま表しているようなパオのコンセプト。
コストや生産性を無視してでも「作りたいクルマを作る!」という考え方は 現代ではまず認められない「いさぎよさ」。
3ヶ月限りの受注に対し、注文数(=生産台数)は約3万台。